効果的な英単語学習法とは

英単語の習得において、多くのお子さまがぶつかる悩みは、「単語の記憶定着」ではないでしょうか。よく、「単語テストがあるから！」と一夜漬けで範囲の単語を覚えるとしましょう。これは次の日の単語テストにはいいかもしれませんが、「受験勉強」でこのやり方が通用するでしょうか？ここでは、一つ一つの単語を覚えるのではなく、ちょっとした「文脈」や「グループ」の中で理解するという方法をご紹介します。定期テストでは、単語のみ書かれているページは、ほとんどないですよね？これは、実際の文章や会話表現などを使って、「実際にどのように使われているのか」を紹介することがほとんどだと言えるからです。それを学ぶことで、より深く「どんな風に使うのか」や「どんなニュアンスを持っているのか」などが記憶に残ります。次に、関連するテーマごとに単語をグループ化することも一つの方法です。例えば、「旅行」に関連する単語をまとめて学べば、記憶の定着が促進されます。さらに、最近ではいろいろな学習アプリがございますので、ゲーム感覚で単語の暗記を進めるのもいいかもしれませんね。AIを活用することで、苦手としている単語をピックアップしてくれたり、似たような表現や文章の反復練習を行ってくれます。私も実際に使っているのですが、隙間時間を使って10分程度の単語復習が可能で、苦手としていた前置詞の使い方が少しずつわかってくるようになりました。このように、いろいろな方法を取り入れることで、英単語学習の幅が広がってくると思います。是非、いろいろな方法を取り入れてみましょう！

先ほどご紹介した「文脈」を使った英単語練習は、単語以外にも「熟語」を覚える上でもよく使われる手法になります。英検や高校の英熟語の参考書を見ていても、「英文で覚える」といったフレーズをよく目にします。というのも、記憶というのは「何かに関連付けて」覚える方が深く残りやすい傾向にあるため、実際に短い文章を読む中で使われている表現は、「あ、あのときの文章に載ってた！」と思い起こしやすくなることがあります。単語をただ暗記するのではなく、それを使った文やシチュエーションに触れることで、意味や使い方をしっかりと理解できるだけでなく、「思い出すきっかけ」として文章の内容と合わせて記憶の整理がしやすくなります。例えば、「run」という単語がありますが、皆さんは「走る」という意味を思い浮かべますよね？しかし、"run a restaurant"など、「え？レストランで走る？」と疑問を持つことで、「走る」以外にも異なる意味を持つ使い方があると気が付くでしょう。実際に私も英熟語は文脈で覚えることが多くあり、高校生のときは面白い内容の文章を読みながら、「あぁ、あの時こういう意味で使っていたな」と思い出すことができました。ただ、「この単語はこんな意味」という形だけでは、単調で面白くないと感じてしまう方が多いはずです。記憶のメリハリや印象付けのためにも、いろいろな文章に触れながら覚えてみるのもいいかもしれませんね。

もう一つ、「テーマ」や「グループ」で単語を覚えるという方法をご紹介しましたが、実際にはどのように覚えるのがいいのでしょうか？これは、以前英語を独自のやり方で勉強していた知り合いから教えてもらったのですが、一つの単語について、「連想ゲーム」をしながら単語を広げるやり方です。例えば、「りんご(apple)」を最初に書いたとき、「apple」から連想する単語を次々に書き起こしていく、というものでした。「red(りんごの色)」や「sweet(りんごの味)」など、思いつく単語をどんどん書いていきます。そして、ある程度単語を書き起こしたあとは、次は「red」から連想する単語をどんどん書いていく、というものです。そうすることで、意味からもイメージできるので、単語の幅がどんどん広がります。「書きたいけどスペルがわからない…」となったときは、辞書で調べてみるもいいと思います。とにかく、イメージと意味をつなげていくことで、単語の幅が広がり、ゲーム感覚で単語を書くことができるのかな、と感じました。この方法だと、おうちでも実践できるものになるかと思いますので、是非一度試してみてはいかがでしょうか。

英単語の学習において、反復練習は非常に重要です。新しく習った単語も、一夜漬けで終わらせてしまったところで、次にテストをすると忘れてしまう…ということは一度は経験したことがあるのではないでしょうか。スマートフォンやタブレットが普及してきている現在では、英単語のアプリケーションを活用することも一つの手段として挙げられます。英単語のアプリも、最近ではかなり充実している印象があり、メリットとしてどこでも手軽に練習できるため、時間のない学生や社会人の方にもオススメです。アプリには、ゲーム感覚で単語を学べる機能が多く搭載されており、競争要素を取り入れることで、モチベーションを維持しやすくなります。 また、AI機能が搭載されているものであれば、間違えた単語やフレーズを覚えてくれているので、忘れたころにもう一度問題を出してくれるなど、反復の機会を作ってくれます。英検や単語の数など、何か目標を持って取り組むのもいいかもしれませんね。

英単語の学習は英語力向上に必須ですが、最終的には「正しいスペルで文章を書く」ことが求められます。確かに長文読解を進める上では、ある程度「日本語の意味が答えられる」力があれば、「文を読む」ことができるようになると思います。しかし、実際の定期テストや高校入試では、「あなたの考えを〇単語程度で書きなさい」という自由英作が出されることがあるため、覚えた単語もしっかりと正しい単語で書けないと減点されたり、点数がもらえなくなってしまうことがあります。また、使い方そのものが間違っていると、採点されることもなくなってしまいます。このように、英語の採点基準はかなり厳しくなっているため、細かい部分も意識をして取り組むことが重要になってきます。本来であれば、自分で問題を解いて、採点をすることが求められますが、細かいところまで見て答え合わせができているかどうか、となると、お子さまによっては難しいところが出て来るかと思います。ある程度「正確な」採点ができるかどうかについては、今後の成績向上につながる部分なので、自分一人の力では難しいところがあれば、他の人の力を借りたり、AIの採点機能があるアプリを活用するなど、工夫が必要になります。答え合わせをする力は、今後の勉強を進めていく中で、とても重要な役割を持っているのです。

それでは、実際に私たちの授業や自習課題で取り組んでいる英単語の勉強についてご紹介します。まずは純粋な単語テストです。こちらは学校の定期テスト以外の単語も実践しています。単語テストも日本語→英語だけでなく、文脈から単語を答える問題や、場合によって形を変える(三人称単数や複数形など)問題も取り入れています。次に、長文の和訳練習です。文章の中で単語がどのように使われているのかを見つつ、英語を日本語に訳すことで、丁寧に文章を見る練習が可能になります。入試や実力テストでは、長文読解ができる力が求められるので、その練習の一環として「精読」をすることを指導しています。ただ、単語を覚えるだけでなく、必要なのはそれを「思い出す」ことや「使いこなす」ことになります。そのためにも、いろいろな文章に触れることで、経験を詰めるような工夫をしております。

では、おうちでは具体的にどのような勉強をすればいいのでしょうか？「単語を覚える時間」を作ることで、単語を覚えることが可能でしょうか？単語を覚えるという作業は、思った以上に退屈で、骨の折れる作業であることは私たちも感じております。そのため、最初は頑張っていても、なかなか続かない……というお子さまも多いのではないでしょうか。私たちがおうちで取り組む上でお話をしているのは、「目につくところに単語の紙を貼る」ということです。何気なく見た物が、意外と覚えていることってありますよね。単語やその他暗記物については、お手洗いや食事をするテーブルの上など、お子さまが目につくところに、いろいろな単語の紙を貼り、ちょっとした時間に「単語を見る時間」を作れるようにすることなのかな、と思います。無理やり勉強をさせても、嫌な気持ちがあるとなかなか思うように進まないことがあるので、勉強のつもりにならずに、目に触れる機会を増やすだけでも、効果を出せることがあります。もし、おうちの壁などに単語の紙などを貼っても大丈夫なご家庭がございましたら、一度試してみてはいかがでしょうか。